
正式にはAlcohol Beverage Control と言いまして
いかにアルコール飲料を厳しく規制する課といったところなのです。
アメリカは禁酒時代の影響でいまでもお酒に対して非情に
厳しい法律があります。
例えば公園やビーチといった公共の場では飲んではいけないことになっていますし
バレると罰金あるいは禁固刑が待っております。
また、封を開けたアルコール飲料は車に積んではいけないことになっているので
友達が「半分飲んだけど後はいらないからな持って帰って。」というような
ウイスキーを決して家に持って帰ってはならないのです。
日本で飲み屋界隈を会社の同僚と肩を組みながら酔っ払って
千鳥足で歩いているおじさんたちをよく見かけます。
その辺の女性にちょっとエッチな言葉でからかったり大声出したりしていますが
アメリカではポリスオフィサーに叩きのめされて留置所へぶち込まれます。
こういったことは警察のお仕事になるわけですが
ABCは警察に負けず劣らずの権力を持っております。
一昔前、知人が居酒屋で働いていた時のこと。
カリフォルニアでは午前2時を過ぎるとアルコールの販売は中止しなければいけません。
しかし、その居酒屋は時間を守らず営業していたそう。
ある日の午前2時過ぎ、客を装ったABCの捜査員に踏み込まれました。
その場で店のドアーにチェーンをかけられオーナーも入ることができないようにされました。
外にはデカデカと「この店はアルコールに関して法律を破りました。」byカリフォルニア州
という張り紙付きでさらし者状態。
バーなどはそれを恐れるため午前1時45分くらいになると
テーブルの上の一切のグラスを下げるらしいです。
私の店もワイン&ビールのライセンスを持っていますが
これを取るの一苦労でした。
オーナーが5年以内に犯罪暦があると取れません。
(警察署に行って指紋を取りFBIへ照合したりとややこしい。)
近くに教会、学校があるとダメです。
また、ご近所にはアルコールを販売する趣旨の手紙を送り
異議のある方は裁判所にて公聴会があるので
行ってください。などなど
道のりは厳しいのでした。
それでもワイン&ビールのようなアルコール度数の低いのは
誰でも申請することはできるのですが
ウオッカやウイスキーのようなハードリカーは
地域で数が決まっており決して増えることがないようにしています。
それゆえ、どこかの店がライセンスを売らないかぎり不可能なことなのです。
いまは不景気で新しくバーをオープンさせようとする人たちが
多く存在しないので価格はそれほど高くはないらしいですが
バブル時代にはライセンス売買が1千万円以上したことがあったそうです。
たかがお酒されどお酒ですね。
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