昨日、インフォメーションセンターのすぐそばで飛び降り自殺がありました。
サンフランシスコでも最も忙しいパウウェルストリート、ケーブルカーの駅のすぐそばにForever21が一階に入ったビルがあります。

午後3時過ぎごろ、ふと気が付くと多くの人たちが外で上を見上げています。
気になって見に行くとビルの最上階の窓の外枠に若い男の人が下着姿で立っていました。
その直前にそのビルの前で映画かコマーシャルの撮影が行われていたのでその場にいた多くの人たちが、まだ撮影が続いているのだろうと思っていたようです。
しばらく見ているとなんとなく様子がおかしいことに気が付きました。そう思うまもなくその男性は何百人もの人が見守る中、飛び降りて地面にたたきつけられました。
ほぼ即死状態であったそうです。

多くの野次馬の中にはもちろん「飛び降りるな!」「考え直せ!」と叫んでいる人もいましたが何人かの若者のグループは、はやし立てるように「ジャンプ!ジャンプ!」と騒いでいました。しかもその男性が飛び降りた直後に笑い声すら聞こえたのです。下で待機していた警官が飛び降りた直後に駆け寄ったのですが、その写真を撮ろうと何人かの人たちが携帯片手に駆け寄っていました。
たった今目の前で尊いひとつの命が失われたのです。その場に居合わせた多くの人が目の前で起こった出来事に茫然自失でいるのにあなたは笑えますか。私もしばらくは手が震えて止まりませんでした。

こちらでは自殺の報道はなるべくしないようにしています。真似をするものが出るからです。同じ理由からゴールデンゲートブリッジから毎年何十人もの人が飛び降り自殺をしているのもあまり報道されていません。しかしいろいろなサイトでこのときの様子がコメントされていますが、現場に居合わせた人はまず一様にショックではあったがそれ以上に笑っていた人たちに怒りを覚えたと言っています。

自殺の理由は定かではありませんが、彼女に振られたのが原因との説もありました。
たったそれだけのことでどうして自殺なんてしてしまったのでしょうか。残された親や家族が悲しむことを考えなかったのでしょうか。
この世に生まれてわれわれがすべき親孝行はたった二つだけです。
一つはこの世に生まれてくること。
もう一つは親より長生きすること。
ある殺人犯の母親が息子の判決が死刑ではなく無期懲役と決まったときに、「息子が生きていてくれさえいればええ。」と涙を流しながら感謝したそうです。
その親より先に自ら命を断つほどの親不孝があるでしょうか。最近自殺をする若者が増えていますが、自分の死を悲しむ親がいるということを絶対に忘れないでほしいです。
ちょっとショックな出来事だったので思わず書き綴ってしまいましたが皆さんのご意見もお聞かせいただけたらと思います。