Post-54遠距離恋愛はつづきました。
会えるのは1年に2回だけ。
夏休みに彼が日本へ帰って来て、冬休みは私がサンフランシスコに行ったり、
ハワイで会ったりと。
3年近く経った頃、二人でリノにスキーに行きました。
リノはサンフランシスコから車で3時間くらいの所にありますが
ここはネバダ州、ラスベガスに比べるとかなり小さい規模ながら
どのホテルもギャンブル施設は充実しています。


勝ったことがないクセにルーレットやスロットマシーンを見ると夢中になる彼。
この日もご機嫌で楽しんでいた彼が突然言いました。
「オレ、やっぱり大学やめて日本へ帰るは。
そやからもうここに来るのも今日が最後やから心残りせーへんように遊ぶわ。」
そういえばここ数日これから将来の事への不安やアメリカ生活が
あまり好きじゃないということを言ってました。

彼「後期の授業料送金してもらったばっかりやから それで遊ぼ!」
私「えーっ!お父さんになんて言うの?」
彼からお父さんはとても怖い、雷おやじだと聞いていました。
子供の頃、勉強をしない彼の机を2階から外へ放り投げた
エピソードを思い出して関係のない私のほうが怖くなってきました。


やっぱりギャンブル運のない彼は半年分の授業料のほぼ大半を
リノの町に落としていきました。
当時、1ドル270-280円の時代で、
日本で何もせずに1年は暮らしていける金額でした。


彼が大学をやめる事は私の心に引っかかり、口では彼を咎めては
いたけれど本当はうれしさでいっぱいでした。
これからは会いたいときに会え、話したいときには時差を考えないで
電話ができる!
私にとって長い長い、遠距離恋愛は終わりました。




授業料の一部で買ってもらった指輪、お義父さん、ごめんなさい。