お正月が終わり両親が日本へ帰ると
寂しさと不安に襲われ なぜ、素直に泣きついて
一緒に日本へ帰らなかったのかと後悔しました。
ここに残ると決心したものの具体的に暮らしていくための
何かをみつけたわけでもなくあせりばかりが募りました。

ある日、息子の通う学校の校長先生から電話がありました。
「あなたの息子が女子生徒を傷つけた。」
夫と学校に飛んで行くと校長、教頭そして担任の先生が待っていました。
クラスの女の子の太ももを鉛筆で突いたということ。
幸いけがは大したことはなかったのですがアメリカでは
訴訟問題になるので絶対に暴力に対して厳しく教育してくれと
何度も念を押されました。
感情的になった私は息子を怒鳴りつけました。
「学校に行きだしてからずっとあの子にいじわるされてん。
ボクが仕返ししたら先生に言いつけるねん。
ボクは英語がわからへんからボクだけ先生に叱られるねん。
あんまり腹が立つから鉛筆で突いてん。
なんでボクをハワイに連れてきたん?
ボクはここに来たくなかった、日本へ帰りたいよー。」
心のうちを全て吐き出した息子は大泣きをしました。
私はなんてことをしてきたのでしょう。

自分がアメリカに住みたいがために
子供のことをよく考えてやっていなかったなんて。
今さらながら自分のやって来たことに強く後悔しました。

悪いことは続くもので夫が早朝から汗水たらして働いたにも
かかわらず給料を支払ってもらえませんでした。
夫が不法就労で何処にもクレームできないことをいいことに。

やっぱり日本へ帰ろう。
マウイは私たちを歓迎してくれなかった。
ここで私たちは傷ついただけ。

けれど夫の心は希望を持っていました。
『引越し代だけでもどれだけ掛かったか思い出してみーよ。
家も売って、日本へ帰らへん覚悟でやってきたんやろ?
1年も経ってへんのになんでもそんなにうまい事いくわけないやん。
うまくいったほうが怖いでー。」

感情で何事も決めようとする私にいつも夫は楽天的で前向きな
アドバイスをしました。
夫の意見を聞いているとなるほどと私自身の気持ちが落ち着いて
くるのがわかりました。